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患者さん一人一人に、痛みと歩んだ歴史、そして手術を決意したきっかけがあります。当院で人工関節置換術を受けられた患者さんにお話を伺いました。
第1回 高橋 恵子さん(仮名) |
恵子さんが左足に痛みや痺れを覚えたのは今から15年ほど前のことでした。
定期的にボランティア活動を行い、そして闘病中のご主人の看病を続けている頃のことです。そして12年前、今度はそのボランティア中に、小石につまずいて右足を捻挫してしまいます。かかりつけのお医者さんでは、湿布薬が処方されました。
ところが、捻挫した右足をかばう格好で左足の痛みが増し、左足を気遣うと右足が痛む・・という悪循環を繰り返すようになってしまったのです。
ただし、このときにはまだ、自分のために治療を受けるという気持ちは起こらなかったといいます。痛みを我慢する生活が続きました。
2005年。ご主人が亡くなってから7年の歳月が経ち、80歳を迎えた恵子さんを取り巻く環境も大きく変わりました。
住まいが新しくなり、息子夫婦と3人の孫が同じマンションに暮らすようになりました。それまで抱えていた苦労に決着がつき、恵子さんは自分自身について考えられるゆとりを持つようになります。
恵子さんのボランティアの1つ、30年間続けた日赤奉仕団は80歳を機に辞めました。
この頃には両足の痛みは、痛み止めなしでは耐えられないほど悪化していたのです。
茶道の講師を務めるケアセンターでのボランティアをなんとか続けるため、日に2回の座薬で痛みを抑える日々でした。